なぜFD2は速いのか?速さの秘訣について徹底解説

FD2

いわずと知れた名車三代目シビックタイプRことFD2、この車は2リッターのNAエンジン車でありながら2リッターターボ車と張り合える性能を持っている。では一体なぜ、このFD2はここまで速いのか。

FD2が欲しい方、サーキットやワインディングでFD2に痛い目に遭わされた方は必見だ。

シビックType R FD2の特徴

シビックType Rの3代目にあたるFD2型は、販売終了から10年以上経過したモデルでありながら、プレミア価格で取引されている車両もある。

その魅力を理解するには、まず基本スペックを見ることが重要だ。このモデルの一番の特長は、高性能なエンジンにある。NAエンジンでありながら、最高出力は225馬力を誇る。特に注目すべきは、エンジン1リッターあたりの出力が100馬力を超える点で、これは非常にハイスペックである。さらに、車重は1250キロと、セダンとしては非常に軽量であることが分かる。他の同車格の車種と比べても、約200キロ軽いというのは、現代の基準では顕著な特徴だ。この軽量さがサーキットなど、コーナーが多い環境での大きなアドバンテージとなっているのだ。

K20Aの特徴

FD2の速さの秘訣の一つは、やはりエンジンのパワーである。1260キロのボディに対し、搭載される2リッターのNAエンジンは、225馬力を発揮する。

この馬力だけを見ても非常に速いことがわかるが、FD2に積まれているK20Aエンジンのすごいところは、トルクがとても厚く、トルクバンドが広いことにある。

高回転型を極めたが故に低速トルクが少し細かった従来のホンダのNAエンジンとは異なり、K20Aエンジンは2リッターターボのように力強く加速していく。NAエンジンとは思えないトルクの厚みがあり、これは進化したI-VTECによるものである。

I-VTECは従来のVTECとVTCを組み合わせ、エンジンが常に最適な量とタイミングで燃料を供給することを可能にしている。これによってNAエンジンでありながら低回転から高回転まで常に太いトルクを生み出すことができるのである。

実際にトルクカーブをチェックすると、比較的低回転である3000回転で太いトルクを発揮している。

このNA独特の心地良いフィーリングと、ターボのような加速感を味わいたい方はぜひ一度下記リンクからおもしろレンタカーで試乗してみて欲しい。

速さの秘訣1:加速に特化したギア比

FD2のギア比は、燃費性能を度外視し、加速性能に特化している。ファイナルギア比は5.0と非常に高く設定されており、これが加速性能の向上に寄与している。サーキットを主眼に置いた開発がされており、最高速度や燃費は二の次である。

そのため、通常の車の約1.5倍程度高い値となっている。(法定速度が遅い日本を主眼においた国産車は3.5~4.0、巡航速度域の高いドイツ車は3.0~3.5が一般的だ)

このギア比が高くなると車の性能として加速性能がアップし、トップスピードは落ちるが、このFD2はとにかくサーキットを主眼に置いた車両であるため、サーキットであまり使われない最高速度のトップスピードは一切無視されている。

また、ギア比がクロスになることで高速巡航時などでもエンジン回転数が常に高くなるので、燃費はどんどんと悪くなる。また、車内にはエンジンの音が常にはいってくるのだ。しかし、そういう普通の市販車では嫌煙されがちな部分にも踏み込み、速さにコミットしたチューニングをしているのがFD2なのだ。

まさに走りに振り切ったHONDAらしい一台と言えるだろう。

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速さの秘訣2:ベース車両の基本剛性の高さ

FD2の速さの秘訣は、ベースとなるシビックの基本性能の高さにもある。従来のホンダのスポーツカーと比較して、軽いボディでありながら十分な剛性が確保されている。旧来のシビックは軽いが剛性が無いというイメージがあったのだが、このFD2はいままでの車種とは一線を画す。

実際にインテグラタイプR(DC5)に対して約50%もボディ剛性がアップしているのだ。

具体的に行われた内容は

  • アッパークロスメンバーの板厚アップ
  • フロントバルクヘッド接着剤追加
  • サブフレーム取付け部の板厚アップ
  • リアフロアフレーム内に補強材追加
  • リアクロスメンバー内に補強材追加
  • リアスタビライザー取付部板厚アップ

が図られている。

タイプRを開発するにあたって、ボディ剛性をアップするために取られた措置によって増えた重量はわずか約1.8キロに抑えられ、理想的なボディを作り上げることができた。これが可能だったのは、ベース車両の基本剛性の高さがあったからである。そうでなければtypeR化に必要な重量アップは10~20倍に増えていただろう。

それだけベースモデルがスポーツカーにふさわしい素性の良い作りだったのだ。

速さの秘訣3:コーナリング性能の高さ

FD2のコーナリングスピードの高さも大きな特徴である。サスペンションの設計が重要で、フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンとなっている。サスペンションは筑波サーキットで何度もセッティングが煮詰められ、理想的な動きを実現している。車のサスペンションがしっかりと動き、ジオメトリー変化に対して足回りが理想的な動きを出し、車がロールしていた状態であっても、タイヤが路面をしっかりと捉えているからである。これによって、直進でもコーナリング時もとにかくしっかりとタイヤが地面に接地して、エンジンが生み出すパワーも路面に伝えることができる足回りになっている。

これらの動きを実現するためにセッティングの最適化が図られただけではなく、ナックル剛性UPやスタビライザーの強化など沢山の変更が加えられているのがポイントだ。

特にナックルの強化は恩恵を強く感じた。コーナリング中車がロールしていってもタイヤと路面の接地圧が安定しておりドライバーは、豊富な路面インフォメーションがとどき性格なステアリング操作を行いやすく、安心してコーナーを駆け抜ける事ができた。

速さの秘訣4:徹底的な軽量化

さらにFD2にはもう一つの武器がある。それは車格を考えると軽量なボディだ。先程剛性が高いボディと伝えたが、FD2がスゴいのは高剛性と軽量化を両立したことだ。軽くするだけなら容易だが、剛性を上げながら軽量化するというのは相反する行為だ。

なんとFD2はベースのシビックからボディだけで約13キロの軽量化に成功している。具体的には「アルミ製フロントバンパービーム採用」「ダッシュボードインシュレーター採用」「フロアメルシート廃止」「ミドルフロアアンダーカバー廃止」「リアガラス薄板化」などがあげられる。これ以外にもサイドミラーの電動格納機構が取り外されていたりと、車を早く走らせることに関係のない部分はことごとく外され、計量化の対象になっているのだ。

このようにFD2はサーキットを楽しく走るために、そしてDC5よりも速く筑波サーキットを走るために様々な工夫がされている事がわかる。

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速さの秘訣:まとめ

このようにFD2は見た目はセダンでありながら、実際の走行性能や開発コンセプトはサーキットマシンである。スペックではわからない太くて広いトルクバンドや、とても高いボディ剛性、サスペンションの設計など細かい要素が重なり合うことによって、2リッターのNAマシンとは思えない驚異的な速さをサーキットで発揮する。

FD2の魅力は、美しいデザインのスポーティーな車ではなく、サーキットやワインディングでの本当の速さや、運転をする楽しみを最大限に味わい尽くしたい人にオススメの一台だ。

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