クルマの話をしていると“剛性”という言葉をよく耳にする。この“剛性”とは何なのだろうか。
今回は、クルマの“剛性”=“ボディの剛性”について解説する。あわせて、剛性が高いクルマにはどのような特徴があるのか、ボディ剛性を高めるためにボディを強化するのは良いことなのかなどについても説明する。
クルマの剛性はボディによって決まる

クルマの走行安定性やコーナリング性能、乗り心地、衝突時の安全性は、ボディによって決まる。
もし、ボディの剛性が低い場合、走行が安定せず、コーナリングでの修正舵が増え、乗り心地が悪化し、衝突時に乗員の保護ができなくなってしまう。
そのため、クルマのボディの剛性は重要なのだ。
クルマの剛性、つまりボディ剛性は、サスペンションなどのアンダーフロア周辺やキャビン(乗員スペース)などに分類されることがあるが、近年ほとんどのクルマに採用されているモノコックボディの場合、ボディ全体が剛性を確保する部材として使われているため、ボディ全体の剛性が重要となる。
このボディ全体の剛性を高めるためには、硬さを強化する部分と力をいなす部分のバランスが重要だ。そのため、単にボディ全体を硬くするのではなく、強化する部分と力を逃がす部分の役割分担が、ボディ剛性を高めるための要点である。
近年では、車両前部とボディ後端を共用化し、キャビンスペースを自由に組み合わせるプラットフォーム戦略を採用しているクルマがある。このプラットフォーム戦略は、フロントまわりとリアまわりを共通にすることで高いボディ剛性とコストダウンを両立させる方法だ。
よって、プラットフォーム戦略によって作られたクルマはボディ剛性が高いものの、手が届きやすい価格に抑えられている場合が多い。
ボディ剛性が高いクルマの特徴とは?

ボディ剛性が高いクルマは、直進安定性に優れ、コーナリング時の修正舵が少なく、サスペンションが路面の凹凸をうまく吸収してくれるため乗り心地が良い場合が多い。スポーツカーなど足まわりが硬いクルマの場合は、乗り心地こそゴツゴツした印象となるが、四輪が常に路面に接地しているため、安心感が高いフィーリングになる。
これらの特徴を備える車種が、ボディ剛性が高いクルマの特徴である。クルマに乗ったときに、安心感があったり、長時間運転をしていても疲れにくかったり、ハンドル操作時に舵角を決めたらそのままコーナーを抜けることができたりした場合、ボディ剛性が高くバランスが取れているクルマと判断してよいだろう。
一方、直進走行しているとき安定しなかったり、コーナリング時に舵角を修正したりすることが多いクルマは、ボディ剛性が低かったりバランスが取れていなかったりするということになる。
つまり、クルマに乗って、直進路やコーナーを走行するだけでも、ボディの剛性が高いか、バランスが良好であるかを判断できるということである。
クルマの剛性をやたらと高めるとクルマにダメージを与えてしまう可能性がある

ボディ剛性が低いクルマを強化するために、タワーバーやロールケージなどを入れるオーナーもいる。しかし、むやみにボディ剛性を強化するパーツを組み込むと、かえってボディ全体のバランスが悪化し、特定部位に過度な負荷がかかる場合があるため、剛性を高める際には注意が必要だ。
また、クルマのボディ剛性を強化する際は、硬くすることだけを重視するのではなく、力をどのように逃がすかについても併せて考慮しなければならない。
よって、クルマの剛性を高めるときは、ボディ全体のバランスを整えながら行う必要があるのだ。
クルマのボディ剛性が高いクルマの違いを知りたいときはおもしろレンタカーがおすすめ
クルマのボディ剛性は、モデルによって異なる。また、同じモデルであっても、ベーシックグレードと高性能グレードではボディ構成が異なることもある。クルマごとのボディ剛性の違いを知りたいのであれば、多くのクルマに乗るのが最も有効な方法だ。
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