クルマのエンジンには、直列エンジン、V型エンジン、水平対向エンジン、ロータリーエンジンと複数の種類がある。これらの中でも、多くのクルマに搭載される一般的なエンジンが、直列エンジンとV型エンジンである。
今回は、直列エンジンとV型エンジンの違いについて解説する。
エンジンにはさまざまな種類がある

冒頭でも触れたとおり、クルマのエンジンには、直列エンジン、V型エンジン、水平対向エンジン、ロータリーエンジンというように、さまざまな種類がある。
直列エンジンは、シリンダーが直列に並んでおり、軽自動車から高級車・スポーツカーまで、多くのクルマに搭載されるエンジンだ。シリンダー数は直列2気筒から直列6気筒が主流となっている。
V型エンジンは、シリンダーがアルファベットのVの字に並んでいるエンジンだ。クルマに搭載されるV型エンジンはV6、V8、V10、V12が多い。その他にも、V型エンジンの派生エンジンとして、V型エンジンを横に並べてW型にしたエンジンもある。
水平対向エンジンは、2つのシリンダーが対になるように配置されているエンジンで、現在はポルシェとスバルが製造している。よくV型180°エンジンと混同されるが、ピストンの動きが異なるため、V型180°エンジンと水平対向エンジンは別物となる。
ロータリーエンジンは、世界で唯一マツダが市販化することに成功したエンジンだ。三角のローターが回転することで動力を生み出す特殊な構造が特徴となっている。
これらのエンジンの中でも、直列エンジンとV型エンジンは多くのクルマに搭載されている。よって、最も一般的なエンジンと言えるだろう。では、直列エンジンとV型エンジンの特徴やメリット・デメリットを深掘りしていこう。
最も多い「直列エンジン」の特徴やメリット・デメリット

直列エンジンは、軽自動車から高級車やスポーツカーまで、幅広く採用されているエンジンだ。
直列エンジンは、直列3気筒(軽自動車やコンパクトカーなどに多く搭載されている)、直列4気筒(普通車やコンパクトスポーツカーなどに搭載されている)、直列6気筒(高級車やスポーツカー、大排気量エンジン車に搭載されている)が主流だが、直列2気筒(フィアット 500ツインエアに搭載)や直列5気筒(アウディRS3やRS Q3に搭載)といった珍しい直列エンジンもある。
また、シリンダーが一直線状に並ぶ直列エンジンは、気筒数を柔軟に変更でき、同一のエンジンブロックで多様な仕様を構成することが可能である。さらに、部品点数が少なく、メンテナンス性に優れているといったメリットもある。
ただし、直列エンジンは、シリンダーを直線に並べるため、気筒数が増えるとエンジンの全長が延びるというデメリットがある。つまり、大排気量化が困難であるということである。
高性能車にも採用される「V型エンジン」の特徴やメリット・デメリット

V型エンジンは、排気量が大きいクルマ(高級車)や高性能車(スポーツカー)に搭載されることが多いエンジンだ。
直列エンジンよりもシリンダー間の距離を短くできるため、気筒数を増やしたり排気量を大きくしたりしても、コンパクトに収められる点がメリットとなる。
また、左右のシリンダーの開き角によってエンジン特性が変化する点も、V型エンジンの特徴である。よって、V型エンジンには、左右のシリンダーの開き角が狭い鋭角V型エンジンや180°まで広げたV型180°エンジンまである。
ただし、V型エンジンは左右にシリンダーが配置されるため、直列エンジンと比べると部品点数が多くなる場合がある。加えて、左右のシリンダーの開き角が大きくなるほど横幅が増すため、エンジンルームにも広いスペースを要するという点がデメリットである。
それぞれの特徴を知りたいときは乗ってみるとよくわかる

直列エンジン・V型エンジンには、それぞれに特徴やメリット・デメリットがある。そのため、いずれが優れているかを断言することはできない。しかし、直列エンジンとV型エンジンでは、明らかにドライブフィールが異なる。
例えば、同じ6気筒エンジンでも、直列6気筒エンジンとV型6気筒では、エンジンレスポンス、回転数を上げていったときのフィーリング、サウンドや振動の質、運転時の快適性などに違いが見られる。
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