かつて「焼き物エンジン」や「断熱エンジン」として話題となったのが、セラミックエンジンだ。このエンジンは、文字通りセラミックで作られたエンジンで、冷却システムが不要であることから注目された。しかし、現在走っているクルマを見てわかるとおり、セラミックエンジンは実用化されることはなかった。
セラミックでエンジンを作ると冷却システムが不要!効率は良いが実用化されなかった理由

セラミックエンジンは、シリンダー、ピストン、ターボなど、エンジン構成部品の大部分にセラミックを使用したエンジンである。また、セラミックは、耐熱性や耐久性が高く、金属製のエンジンに必要な冷却システムが不要。このようなことから、セラミックエンジンが注目されたのである。
冷却装置が必要ないセラミックエンジンは、エンジンの効率を上げることができるだけでなく、エンジンそのものの構造をシンプルかつコンパクトにすることができる。まさに夢のエンジンとして、1980年代に開発が進んでいた。
しかし、セラミックエンジンは、エンジンそのものを冷やすシステムこそ不要だが、シリンダー内の熱を逃がすことができず、混合気を効率よくシリンダー内に送り込むことができない事態が発生した。
この問題を解決すべく、テストや開発が行われたが、実用化されるほどのレベルに達することができず、開発は中断された。最終的に実用化されることはなかった。
実はエンジンにはセラミック部品が使われている部分がある

エンジンのほとんどをセラミックで作るセラミックエンジンは実用化できなかったが、セラミックを使用した自動車部品は数多く存在する。例えば、セラミックターボとして知られているセラミック製のターボチャージャーや点火プラグなどだ。
今でこそ当たり前のようにクルマの部品の一部にセラミックが使われているが、この実用化の背景には、さまざまな研究開発や技術進歩が存在する。
先述したとおり、セラミックは、耐熱性や耐久性が高い。しかし、衝撃が加わると割れてしまうという特性がある。
自動車部品としてセラミックを使用するためには、割れにくいセラミックの開発が必要である。このセラミックの開発に成功したことで、ターボチャージャーをはじめとする高負荷部品にもセラミックが使えるようになった。
この技術の進歩は、セラミックエンジンをはじめとするセラミックの可能性に着目し、研究・開発がされたことで実現したといっても過言ではない。
クルマの部品にも欠かせないセラミックは可能性を秘めている?!

夢のエンジンとして注目されたセラミックエンジン(焼き物エンジン/断熱エンジン)は、実用化することがなかったが、現在クルマの重要部品であるエンジンパーツの一部にセラミックが使われている。
セラミックならではの特徴を活かした自動車用パーツによって今のクルマがあることを考えれば、セラミックは自動車に欠かせない素材であるといえる。
今後、セラミックがどのような使われ方をするのかは不明だが、セラミックの特徴をうまく利用して技術開発をすれば、より効率のよい内燃機関などを作ることができる可能性は高い。
さまざまな可能性を秘めているセラミックという素材にも注目しながら、今後の自動車業界を見ていくのも面白いのではないだろうか。セラミックをパーツに使ったクルマが誕生することも楽しみだが、多種多様なクルマに乗れる「おもしろレンタカー」もクルマ好きなら注目しておきたい。
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